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ストレスとストレッサーの扱い方

一般的によく使われる「ストレス」という言葉ですが、皆さんそれぞれの認識やイメージがあると思います。

その「ストレス」の認識の違いによって「ストレス」のイメージが変わることもあります。

ストレスとストレッサーの違いからどのようにストレスを減らすことに至るのかさまざまな視点から書いていきます。

読まれている方にとってより良い形となりますように。

ストレスとは

ストレスは、プレッシャーや不快な心理的な感覚や身体的な感覚を表す言葉として一般的に用いられています

ストレスは英語でstressと表記され、ハンス・セリエの研究や出版によって一般的に知られるようになりました。

ストレスとストレッサー

まずここではハンス・セリエのストレス学説からストレスとストレッサーについて説明していきます。

セリエのストレスの定義

ストレスとは、「外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応」と定義されています。

「反応」でありますので、一般的なストレスの意味で考えると「ストレスを感じる」という部分にあたると思います。

刺激に対して適応しようとする中で発生するさまざまな反応ということです。

セリエのストレッサーの定義

ストレッサーとは、「ストレスを引き起こす外部環境からの刺激」と定義されています。

「刺激」ですので、一般的なストレスの意味で考えると「あれがストレスなんだよね」という言葉の「あれ」に入る部分にあたると思われます。

要するにストレスを感じる対象のことをストレッサーということです。

ストレッサーとストレスを感じる反応

「ストレスを減らしましょう」という言葉はよく使われるものですが、言い換えれば「ストレッサーを減らすこと」「ストレスに反応することを減らす」とも言えると思います。
その2つに加えて「ストレス発散」も含めた形の意味でストレスを減らすと言えるでしょう。

ストレッサーを減らす

まず何が自分にとってストレスの原因となっている対象物か気づくことが大事です。

そしてその対象物であるストレッサー自体に対する対処方法を考え、行動することです。例えば、

家族にストレスになっていることを打ち明け改善してもらう
ストレスを強く感じることを会社や上司に打ち明けて改善してもらう
学校での強いストレスを先生に打ち明けて改善してもらう

などです。

これによって

家族からの理解やサポートが得られる可能性
会社のストレスマネジメント体制の変化
学校での先生からのサポートを得られることやストレスマネジメント体制の変化

などが期待できます。

上記のような変化が起きればいいですが、なかなか難しい状況も少なくありません。

またストレッサー自体を「ただ減らしていけばいい」という単純なものでもありません。

ストレッサーを避けることばかりしていくことによって、短期的によくても長期的に見るとかえって大変になってしまうこともあります

しかし一時的に避けることによって「安定」を取り戻し、こころを整理したり向き合ったりしながら対処ができるタイミングで乗り越えるという方法もあります。

不必要なストレッサーと必要なストレッサー

「不必要なストレッサー」と「必要なストレッサー」という二つに分けてみる方法で考えてみます。

ポイントは「自分が求める自己成長」「無理がないか」です。

ストレッサーは乗り越えた先には不思議とストレッサーの影響が弱くなったり、ストレスではなくなることも少なくないものです。

そういった自分の成長になると思えるものは「必要なストレッサー」の可能性があります。

苦しさや困難も途中にありますが、乗り越えていくと自分の成長につながるものです。

成長があると思っても「無理のし過ぎ」は気をつけなくてはなりません。

症状が慢性的に出たり、気持ちがどうにもならなくなるような状況でしたら一考が必要です。

自分の成長がなかったり、なくなっても生活に支障がないものに関しては、「不必要なストレッサー」として減らしていけばいいでしょう。

この必要か不必要かというところは「自分のストレスに対する捉え方や考え方、在り方」などが深く関係します。

ストレッサーがあってもストレスに感じなければ、ストレッサーではなくなってしまうことが少なくありません。

ここにキーポイントがあります。

ストレスに反応することを減らす

「さあストレスに反応しないぞ」と思ってもそんなに簡単ではないことを経験されている方も多いと思います。

まず、なぜストレスに感じてしまうか?というところを知っていく必要があります。

そこには自分の捉え方や考え方などが関係します。

まず自分の捉え方や考え方で重要になるのが「認知のかたより」です。

※認知行動療法などで「認知の歪み」と表記されることが多いですが、ここでは「認知のかたより」と表現しております。

○認知のかたよりを知る

「認知のかたより」があるものとして以下のようなものがあります。

・0か100か(白黒思考)・・・白か黒しかないような判断
・すべき思考・・・~すべき、~しなければならないなど
・行き過ぎた一般化・・・1回の失敗でもまた失敗すると考えてしまう
・マイナス化思考・・・マイナスの方に注視して考える癖
・結論の飛躍・・・先読みしすぎる、先読みの誤り
・拡大解釈と過小解釈
・感情の理由付け・・・感情だけで判断してしまう(~に違いない)
・個人化・・・自分とは関係ないものにまで自己非難をする
・レッテル貼り
・予言・・・否定的な予測

こういった「かたより」があったことによってストレッサーに対するストレスが強くなっていたことを知ることが大切です。

だれでも「かたより」があるものです。

それ自体が悪いことではありませんが、かたよりが強くなっているところに対して強くストレスを感じるものです。

この「かたより」に対してアプローチする方法として認知行動療法やカウンセリングなどを活用することも一つです。

ゆっくりゆっくり一歩ずつ変化が感じられるように進めていくことが大事です。

○トラウマや記憶に対するアプローチ

過去のトラウマや記憶が関係していると判断出来る場合は、それらに対応できる方法でアプローチすることでストレス反応が変化してくることが期待できます。

トラウマや記憶が激しい場合、自分で向き合うより専門家に相談することをおすすめします。

○慣れるチカラ「馴化(じゅんか)」を使う

ある刺激がくり返し提示されることによって、その刺激に対する反応が少しずつ見られなくなっていく現象のことを「馴化」といいます。

一般的には「慣れる」という言い方のほうがわかりやすいですね。

馴化を行う際は、強い刺激から始めるのではなく、小さな刺激から慣れていき徐々に刺激の強いものへ無理のないように進むことが重要です。

自分がこの馴化を使う意思やスタンスによっても効果が異なります。

○どうなりたいかどう在りたいか

自分がどう在りたいか

自分がどうなりたいか

ということによってストレスに対する反応や適応力、柔軟性にも影響が出てきます。

○自分の気持ちに正直になる

まず今のストレスに対して何もしたくない。。。
どうなりたいかとかどうでもいい。。。
正直こう思う。。。
本音はこうなんだ

などの本音や正直な思いを知ることもできることとしてあります。

自分で気づくだけでも十分な場合もあるでしょうし、誰かに聞いてもらうことも大事な場合もあるかもしれません。

特に何もできないような状況であればあるほど、その本音や気持ちを上手く扱ってあげる必要があります

○ストレスの発散

運動やスポーツ、趣味などでストレスを発散するという基本中の基本です。

基本的すぎて大したことがないように見えてすごく大きな効果があったりします。

◎ここまでのまとめ

ストレッサー自体を減らしていく対処行動とストレスに感じる反応に対してアプローチすることで「ストレスが減る」ことが実現していきます。

その道は地道ですが、大きな財産や成長につながります。

ストレスの減らし方について書いていきましたが、次に重要な人間のストレス反応を二つ説明していきます。

自己防衛としてのストレス反応

人間のストレス反応としての以下のようなものがあります。

戦うか逃げるか(闘争・逃走)反応

動物や危険な状況に対して、交感神経を刺激して戦うか逃げるかできるようにする反応です。

火事場の馬鹿力という言葉がありますが、普段以上の力や筋肉が使える状態となります。

血流は筋肉優先になり、心拍数や血圧、血糖値も上昇し、その分エネルギーも使用します。

その反面、緊急時に必要のない内臓などの活動が低下します

この機能自体は悪いものではなく、人類が進化してきた過程で必要不可欠な機能です。

しかしこの戦うか逃げるか(闘争・逃走)反応が長く続くとからだに負担がかかります。

※医学的には、視床下部-交感神経-副腎髄質軸のSAM系(軸)の経路によって反応されると考えられています。

フリージング・すくみ反応

受動的ストレス反応や行動抑制反応とも呼ばれ、危険な状況や襲撃者に見つからないようにじっと動かずにいるような状態です。

また「すくみ反応」とも呼ばれ、からだが凍りつくような硬直が起きるような状態です。

戦うか逃げるか(闘争・逃走)反応についてはよく知られていますが、実際このフリージングやすくみ反応も現代ではよく起こりうることかもしれません。

戦うか逃げるかできないときにこのフリージングやすくみ反応でやすいとも言えます。

歴史的に考えるとこの機能も人間が生きのびていくには必要不可欠な機能でもありました

しかしフリージングやすくみ反応も危険に対する緊急モードですので長く続くとからだへの負荷がかかります。

※過敏性腸症候群(IBS)などは関連しやすい反応といわれています。

※医学的には、視床下部-脳下垂体-副腎皮質軸のHPA系(軸)の経路によって反応が起こるとされています。

この2つの反応をどう扱うといいのか?

戦うか逃げるか(闘争・逃走)反応とフリージング(すくみ反応)は、そもそも危険ストレスに対する自己防衛のための反応です。

意識ではそこまで反応しなくてもいいのに。。。と思ってもこの反応はなかなか強固なものです

○知る

まず大切なのは、この2つの自己防衛のための強固な反応によって起こっていたんだということを知ることです。

自分を守る強力なストレス反応は、簡単ではないことを知ることです。

ですので必要以上に自分を責めることが得策ではないということです

自分としてはそこまで反応しなくてもいいと思っているのに反応してしまうからです。

かといって希望がないわけでもありません。

心理療法やカウンセリング、行動療法をうまく活用すれば徐々にこの反応が変わることが可能です。

そのためには自分の意思と努力が必要です。

この原始的な反応は非常に難しいため、心理面と物理面、脳神経系へのアプローチを複合的に行っております。

一歩一歩進めばこの反応が徐々に徐々にですが変化してきます。

ストレスを減らすカウンセリング

カウンセリング・心理療法

ここまで書いてきましたように心理的アプローチや様々な手法を用いて「ストレスを減らす」ことが可能です。

ストレスを対処することをコーピングといいます。

意外かもしれませんが、コーピングの能力が高い人は人のチカラをかりることができる人というデータがあります。

自分で乗り越えることは大切です。

それと同時に必要な時に必要な手を借りることも大切です。

必要であれば全国どちらからでもご相談が可能です。

参考サイト
第2章 心のケア 各論:文部科学省
ストレス stress

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