お腹が張っている、膨れているという時に感じる「腹部膨満感」について説明しております。
※ 腹部膨満感の病気の診断や鑑別、治療などは今通院されている、もしくは通院される予定の医師の判断に従ってください。
- 1 腹部膨満感とは何か?
- 2 腹部膨満感の原因
- 2.1 胃炎による腹部膨満感
- 2.2 胃下垂による腹部膨満感
- 2.3 逆流性食道炎(胃食道逆流症)による腹部膨満感
- 2.4 消化不良による腹部膨満感
- 2.5 吸収不良による腹部膨満感
- 2.6 便秘による腹部膨満感
- 2.7 腸内細菌による腹部膨満感
- 2.8 過敏性腸症候群(IBS)による腹部膨満感
- 2.9 腸閉塞(イレウス)による腹部膨満感
- 2.10 自律神経の乱れ(自律神経失調症)による腹部膨満感
- 2.11 食事による腹部膨満感
- 2.12 SIBOによる腹部膨満感
- 2.13 機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)
- 2.14 呑気症(どんきしょう)や空気嚥下症(くうきえんげしょう)
- 2.15 急激に痩せることによる腹部膨満感
- 2.16 その他
- 2.17 東洋医学から考える腹部膨満感
- 3 腹部膨満感に対してできること
- 4 腹部膨満感のカウンセリング
腹部膨満感とは何か?
お腹が張っている、お腹が膨れている、お腹が張って圧迫されている、圧迫されて苦しいという時に「膨満感」を感じます。
人口の10~30%の人が経験したことがある日常によくある症状とも言われています。
腹部(お腹)というのは、胃腸などの消化管や腹腔などを指します。
食後の腹部膨満感もあれば、食事に関係のない腹部膨満感もあります。
ストレスや食べ過ぎなどによる胃腸の機能低下により起こる場合や何らかの理由でガスが溜まって起こる場合があります。
腹部の膨満感には、胃の辺りに感じる膨満感と腸のあたりに感じる膨満感があります。
腹部膨満感の原因
腹部膨満感という症状にはさまざまな原因によって起こるものとして考えられています。
胃炎による腹部膨満感
急性胃炎や慢性胃炎によって腹部膨満感を感じることがあります。
胃痛、下痢、吐き気、嘔吐、胸焼けなどの症状があることが少なくありません。
胃下垂による腹部膨満感
胃が垂れ下がりすぎることによって胃の機能が低下することによって腹部膨満感を感じることがあります。
逆流性食道炎(胃食道逆流症)による腹部膨満感
胃酸が食道に逆流し、食道の壁や粘膜が炎症を起こす病気で、胸やけ、酸っぱいものが上がってきたり、ゲップ、喉のつまり感、胸の締め付けられる感じ、腹部膨満感を感じることがあります。
消化不良による腹部膨満感
食べ過ぎ、飲みすぎ、薬などの影響により差し込むような痛み、食欲不振、吐き気、便秘、下痢、鼓腸、げっぷなどの症状が出ることが有り、腹部膨満感も食後に出ることがあります。
吸収不良による腹部膨満感
何らかの原因により吸収がうまくいかないことによっても腹部膨満感が出る場合があります。
吸収不良の場合、慢性的に下痢症状を訴える場合が少なくありません。
便秘による腹部膨満感
便の通過が滞る便秘によっても腹部膨満感が起こることがあります。
腸内細菌による腹部膨満感
ストレスや食べ過ぎ、生活習慣の乱れなどによって腸内細菌の悪玉菌が増えてくると、異常発酵によりガスが発生することで腹部膨満感が起きることがあります。
過敏性腸症候群(IBS)による腹部膨満感
ストレスや落ち込む気分や過剰なプレッシャーなどにより胃腸の機能異常が起こり、腹痛、下痢、便秘、ガスの産出などの症状が起こり、腹部膨満感を感じることがあります。
腸閉塞(イレウス)による腹部膨満感
腸のつまりやねじれによって腹部膨満感を感じることがあります。
腸閉塞(イレウス)の場合、腹痛や吐き気や嘔吐などの症状がある場合があります。
自律神経の乱れ(自律神経失調症)による腹部膨満感
ストレスや生活習慣の乱れなどにより自律神経が乱れ、腹部膨満感がおきることがあります。
食事による腹部膨満感
繊維質の多い食材や糖質を多く含む食べ物はガスを産出しやすくなり過剰なガスが発生し、腹部膨満感を引き起こすことがあります。
食べ過ぎや飲みすぎ、炭酸飲料などによっても腹部膨満感を引き起こすことがあります。
SIBOによる腹部膨満感
なんらかの理由により小腸に細菌が増殖し、ゲップや胸焼け、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感、おならやガスが出やすい、お腹がゴロゴロ鳴る、などの症状が出やすくなると言われています。
機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)
検査を行っても器質的な原因が見つからないが、胃の痛み、胃もたれ、すぐに満腹になる、腹部膨満感がでる症状に対して付けられる病名です。
腹部膨満感が主訴の場合で原因がわからないものに対して、機能性腹部膨満感症という病名が診断されることもあります。
呑気症(どんきしょう)や空気嚥下症(くうきえんげしょう)
普通の場合でも多少空気を飲み込むことがありますが、早食いやストレスなどにより空気を飲み込む過ぎることによって腹部膨満感を感じることがあります。
急激に痩せることによる腹部膨満感
急激な痩せなどでクッションが少なくなると上腸間膜動脈によって十二指腸が圧迫を受け、食後の胃の重さや吐き気、腹痛、腹部膨満感などの症状が現れることがあります。また、仰向けで症状が悪くなり、うつぶせで症状が良くなるという特徴があります。
膨満感:医師が考える原因と対処法|症状辞典 | メディカルノート
その他
胃がん、大腸がん、すい臓がん、腹水、子宮や卵巣の病気、肥満などによっても腹部膨満感が起きる場合があります。
東洋医学から考える腹部膨満感
胃腸の気が弱っている、胃腸が冷えている、気の流れが滞っている、などの原因によって起こる腹部膨満感に対して漢方薬などが処方されています。
腹部膨満感に対してできること
第一の選択は病院で検査することによって何かしらの原因がわかり治療することです。
しかし原因がわからないこともある場合や治療を行いながら行うことができるものとして以下にご紹介します。
ストレスを減らす
ストレスの原因になっているものを減らす、ストレスに感じる自分のこころに向き合うことでストレスを減らす、ストレスを発散する3つによって「ストレスを減らすこと」ができます。
詳しくは、ストレスとストレッサーの扱い方
食べ過ぎ・飲みすぎを見直す
食べ過ぎや飲みすぎることによって胃腸やすい臓、肝臓の機能が低下することによって起きている場合、改めることによって改善を期待できることがあります。
また年齢とともに必要な食事量や消化機能が低下する場合も有り、年齢を考えた食事にしていくことも大切な場合があります。
一時的・長期的に摂取する食べ物や飲み物を見直していくこともできることとして大きな意味を果たすことがあります。
咀嚼によって食べ物が細かくなり胃腸が消化吸収しやすくなりますので早食いからゆっくり噛むようにしていくことも大切です。
膨満感がでやすくするものを調べる
腹部膨満感が出たときにどんな食事をしていたか?
どんな気持ちやストレスがあるとでやすいか?
などを日記などにつけながら
対象の食材を控える
気持ちやストレスの処理をする
などによってどれくらい症状がでにくくなるかを調べることもできることとしてあります。
生活習慣を整える
睡眠や食事やプライベートな時間などバランスの良い安定的な生活習慣にしていくことでからだやこころの機能を回復させることができます。
腹部膨満感のカウンセリング
膨満感がなかなか良くならない
ほかの症状もあって困っている
ストレスをなんとかしたい
腹部膨満感で苦しい状況をなんとかしたい
おなかがスッキリできるようになんとかしたい
これを機になにかしたい
カウンセリングを試してみたい
腹部膨満感に関係するストレスや緊張、プレッシャーなどに対して「心理的なアプローチ」と、生活習慣や食事法、整体学的な「物理的なアプローチ」のアドバイスを行っております。
少しでも症状や自分の人生を良い方向へ向かわせたい方に対して全国からお電話一本で相談できるカウンセリングと心理療法を行っております。
参考文献
今日の診断指針 第8版 医学書院
膨満感 メディカルノート
MSDマニュアル家庭版 – MSD Manuals
MSDマニュアル プロフェッショナル版 – MSD Manuals