自律神経失調症の改善方法や治し方って?というご質問に対して、できるだけ分かりやすく西洋医学、東洋医学、整体、栄養学、生活習慣や心理療法などから可能性を探せますように説明しております。
※西洋医学の治療法に関しましては、医師による専門領域ですので詳しくは担当の医師の判断に従ってください。
病院やクリニックでの自律神経失調症の改善法や治し方って?
自律神経失調症には、
◎自律神経調整薬
◎抗うつ薬
◎抗不安薬
◎気分安定薬
◎ホルモン剤
◎ビタミン剤
◎睡眠薬
◎漢方薬
などのお薬による治療があります。
・カウンセリング
・認知行動療法(ものごとの捉え方や行動パターンを見直す)
・自律訓練法(自己催眠によってリラックスする方法)
・交流分析法
・筋弛緩法(筋肉をゆるめる方法)
などの心理療法やカウンセリングによる治療も行われます。
生活習慣や生活リズム、食事の改善なども重要視されています。
漢方医学での自律神経失調症の改善法や治し方って?
漢方の世界には、流派があります。
古方(こほう)、後世方(ごせいほう)、中医学(ちゅういがく)などです。
流派や先生によって出される薬が異なったり、使い方や加減などが異なります。
自律神経失調症には、これです!という病名に対する漢方薬の考え方よりも、ひとりひとりの症状や体質に合ったお薬が選定されることが多いことが特徴的です。
半夏厚朴湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・柴胡加竜骨牡蛎湯・抑肝散(加陳皮半夏)・補中益気湯・半夏白朮天麻湯・帰脾湯・加味帰脾湯・逍遥散・加味逍遥散などがあります。
気を補う、気を巡らせる、気を落ち着かせる、五臓六腑のアンバランスを整える、血(けつ)を補う、血を巡らせるなどの効果が得られる漢方薬が症状や体質から選ばれます。
漢方薬には、煎じたエキスを粉状にしたエキス剤と煎じ薬があります。
自分の自律神経失調症に合う漢方薬はどこで?
病院やクリニックで処方してもらう漢方薬
漢方相談薬局や薬店で漢方専門の先生に出してもらう漢方薬
ドラッグストアなどで買う漢方薬
などで購入することができます。
整体での自律神経失調症の改善法や治し方って?
自律神経失調症は整体ではどのように考えられているのでしょうか?
整体にも流派や先生独自の考え方があります。
ですので流派や先生によって施術が異なることが少なくありません。
施術でアプローチされるポイントとしては、
背骨や骨盤などの歪み
筋肉の過緊張とゆるみすぎているところ
全身のアンバランスさ
頭や脳の状態
脳脊髄液の流れ
肩と首のこり
脳脊髄と神経系
内臓の働きに関連するところ
など部位の「状態」を見ながら施術が行われます。
※上記以外にも先生によって異なります。
自律神経がうまく働きやすくなるように「からだ」からアプローチするのが「整体」などでできることです。
特に重要視されているのが「首こり」です。
首には、さまざまな血管やリンパそして神経が通っております。
首の筋肉の緊張などで圧迫されてしまうことがあります。
そういったところの緊張やコリを緩和することで期待できることがあります。
昔からあるバキバキっと強い施術が行われるものと新しい優しくソフトに調整する整体などがあります。
栄養学での自律神経失調症の改善法や治し方って?
良質なたんぱく質を摂る
肉類、魚貝類、大豆、納豆、卵などを食べることで「たんぱく質」が摂取できます。
糖質をほどほどに制限する
自律神経系以外にも言えますが、糖質の摂り過ぎによる血糖値バランスや体への負荷を考えると少し少なめにすると良いと言われています。
ごはん、パン、麺類などの炭水化物の量を減らす分、野菜を増やすなどの工夫をすると満足感のバランスもまだとりやすいかと思います。
またお菓子やスイーツなど砂糖の量も少し制限すると良いと言われています。
楽しみもあると思うので「ほどほど」に減らしていくことが良いように思います。
オメガ3系
不安や脳神経系に良いとされています。
青魚に多く、ナッツ類、亜麻仁油やえごま油などに多く含まれます。
※亜麻仁油やえごま油は生で摂取できるように塩を加えたサラダでとると効率がいいですね。
腸内細菌に良いものを摂る
脳と腸の相関関係が少しずつ明らかになってきました。自律神経失調症に対しても腸や脳の状態を良くしていくことで期待できる効果があります。
食物繊維の多い食材や発酵食品が腸内細菌に良いとされています。
楽しく、ゆっくり食べる
しっかり噛んでゆっくり食べることで胃腸やからだへの負担を減らすことができます。
自律神経失調症の食事や食べ方、栄養素についてこちらに詳しく書いております。
生活習慣による自律神経失調症の改善法や治し方って?
生活習慣に関しては、さまざまな見解がありますが、最も基本的な守るといい生活習慣に関してブレスローの7つの習慣をご紹介します。
・喫煙をしない
ブレスローの7つの健康習慣を実践してみませんか? ヘルスネット
・定期的に運動をする
・飲酒は適量を守るか、しない
・1日7-8時間の睡眠を
・適正体重を維持する
・朝食を食べる
・間食をしない
自律神経失調症で大事な生活習慣って?
ストレスを溜めにくくする
ストレスが発散できるものをつくる
生活のリズムをできるだけ一定にする
精神的成長やより良い生活を促す「気づき」
食事や食べ方を見直す
睡眠をしっかりとる
首や肩のこりをほぐす
運動や趣味を行う
マインドフルネスや呼吸法
などができることとしてあります。
特に睡眠は、人間にとって重要なからだの疲労回復とともに心やあたまの休憩です。
睡眠環境を整える
睡眠環境を整えるには、
自分に合った枕や寝具
寝室にものを置きすぎない(綺麗に片付ける)
睡眠に対する意識の変化
寝室がリラックスできる環境になる工夫
などができることとしてあります。
生活習慣は気持ちが大事
大事なのは、いきなり全部やろうとせずゆっくり自分のペースで生活習慣が長い目で新しい形へ浸透していけるようにすることです。
自分にとってどこを改善すればいいか決めて、ゆっくり一歩ずつ進めていきましょう。
心理療法での自律神経失調症の改善法や治し方って?
認知行動療法
認知行動療法とは、認知と行動を変化させることにより、問題や症状を改善していく心理療法です。
物事に対する捉え方や考え方である「認知」によってストレスは大きくも小さくもなります。
どのような認知をしているのかを「まず知ること」が基本となります。
認知にかたよりがあるものとして以下のようなものがあります。
・0か100か(白黒思考)・・・白か黒しかないような判断
・すべき思考
・行き過ぎた一般化・・・1回の失敗でもまた失敗すると考えてしまう
・マイナス化思考・・・マイナスの方に注視して考える癖
・結論の飛躍・・・先読みしすぎる、先読みの誤り
・拡大解釈と過小解釈
・感情の理由付け・・・感情だけで判断してしまう(~に違いない)
・個人化・・・自分とは関係ないものにまで自己非難をする
・レッテル貼り
・予言・・・否定的な予測
認知のかたよりを知って、行動することによって評価しながら、認知を修正していく流れなどがあります。
ほかにも認知行動療法では多種多様な手法があります。
自律神経失調症では、ストレスに対する抵抗力や柔軟性などをつけていくことでストレスが溜まりにくくなるなどの効果が生まれ、症状の改善が期待できるといわれています。
自律訓練法
ドイツの精神科医シュルツによって体系化された自己催眠によって意識的にリラックス状態に持っていくことで自律神経のバランスなどを整えていく訓練法です。
自律訓練法の基本として以下のような流れがあります。
背景公式 → 第1公式 安静練習 → 第2公式 温感練習 → 第3公式 心臓調整練習 → 第4公式 呼吸調整練習 → 第5公式 腹部温感練習 → 第6公式 額部涼感練習 → 第7公式消去動作
第6公式と第7公式の間にその方に適した「黙想練習」を入れる場合もあります。
あまり効果が期待できない(非適応)、自律訓練法を行わなわない方がいい(禁忌)場合は、以下のとおりです。
非適応の場合は
①治療意欲がない患者、②自律訓練法の練習中の徴候や練習そのものを十分 に監視できないとき、③急性精神病や統合失調症的反応の激しいとき、④知的能力がかなり劣っている患者、④それに 5 歳以下の子どもである
心身症における自律訓練法の 適用 – J-Stage
禁忌(行ってはいけない)は、
禁忌症とは、自律訓練法を行うことによって ,副作用的反応や症状の増悪な どを引き起こす可能性がある疾患のことで ,心筋梗塞の患者 ,糖尿病患者で 長期間の監視が不可能なとき,低血糖様状態の患者,退行期精神病反応 ,迫 害妄想 ,誇大妄想を示す患者などである
心身症における自律訓練法の 適用 – J-Stage
森田療法
日本の精神科医の森田正馬医師が開発した心理療法です。
不安や恐怖は、なくそうと思ってもなくならず、かえって強くなることがあります。
そういった精神症状や症状を排除しようと毎日「とらわれてしまう」ことも少なくありません。
気分や症状を「あるがまま受け入れる」ことを体得することが重要とする心理療法です。
「こうあるべきだ」という理想と現実の矛盾を理解し、目的や行動に注力していくところも大切な要素とされています。
自律神経失調症では、精神症状やからだの症状に対して、「あるがまま受け入れるチカラをつけていく」ことで症状への慣れや改善などの効果が期待できるとされています。
筋弛緩法
筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)とは、アメリカの内科・精神科医のエドモンド・ジェイコブソン博士が考案したリラクゼーション法です。
疲れの回復や手足の血流改善、リラックス、呼吸を深くする、睡眠にも良い効果が期待できるとされています。
「力を抜いて」といわれてもなかなか力を抜くということはシンプルなようで簡単ではないことがあります。
そういった場合に有効なのが筋弛緩法と言われております。
力を7割程度を5~10秒間入れて、スっと力を抜いて10秒以上おくような形で筋弛緩を行います。
ポイントは、力を入れているときの感覚や抜いたあとの感覚をしっかり感じることが大事です。
自律神経失調症では、筋弛緩法によって過剰に働いていた無意識的な力み(りきみ)に対するアプローチとして効果が期待されます。
自律神経失調症カウンセリング
自律神経失調症はなかなかひとくくりできないことが多いものです。
共通しやすいところがあっても、人それぞれ違う性格、考え方、経験、行動パターンや状況が違うものです。
そういった状況や個性に寄り添いながらその方だけの改善の道を一緒に探していくのが「つぎのとびら」のカウンセリングです。
心理的な研究や経験も多いですが、
整体施術の経験や漢方薬の販売も行ってまいりました。
そういった多角的な視点から
こころへのアプローチ
からだへのアプローチ
こころとからだをつなぐものへのアプローチ
をおひとりおひとりへオーダーメードで作っていきます。
こちらのカウンセリングや自然療法だけがあなたにとって必要とは限りませんが、
皆様が今の状況から可能性を見いだせますように心より応援いたしております。
参考文献
自律神経失調症を知ろう 渡辺正樹 著
最新版 自律神経失調症の治し方がわかる本 村上正人・則岡孝子 著
自律神経失調症を改善する特効法101 伊藤 克人 著
参考サイト
自律神経失調症 メディカルノート
心の健康 厚生労働省