喉がつまる、喉に違和感が有る、喉がイガイガする、喉がザラザラする、喉が苦しい、喉の異物感が気になる、喉が腫れている感じがする、喉の違和感が動く、喉につまり感がある、つばが飲み込みにくい、喉の左側に違和感が有る、喉の奥が気になる、喉に何か病気があるんじゃないか、食後に喉に違和感が出る、喉仏の下に違和感が出る、喉の右側に異物感がある、ヒステリー球がでる、喉が息苦しい、長いあいだ喉に違和感が有る、喉の異物感があったりでなかったりする、喉が気になってイライラする、喉の症状が治らなくてストレス、など喉(のど)にまつわる違和感や異物感の症状の訴えが多岐にわたります。
改善はとても簡単そうにみえて難しいことも少なくありません。
検査で異常が見つかり、投薬などで治療が行われるものであれば治療を行うことでいいのですが、検査を行ってもなかなか明確な異常が認められないことがあります。
そういった喉の違和感や異物感に対して詳しく説明していきます。
梅核気と咽中炙臠
東洋医学の漢方の世界では、昔から「喉の違和感や異物感」の症状のことを梅核気(ばいかくき)や咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)などと呼んでおりました。
梅の種がのどにつまっているような取るに取れない感じがあり、という症状には「気の滞り(とどこおり)」があるとし、半夏厚朴湯などの気を巡らせる漢方処方などが処方されておりました。
昔々からこのような「喉の違和感や異物感」があり、簡単に取れないからこそ漢方薬が用いられたということです。
そして気を巡らせることによって一定の効果が得られていたということですね。
そもそも喉ってどうなっている?
HUMAN ANATOMYカラー人体解剖学 P485より引用
口・鼻・喉・気管・骨などの構造は上記の図を見てください。
喉側から見れば甲状腺、気管、食道、頚椎(背骨)があります。
背骨側から見れば頚椎(背骨)、食道、気管、甲状腺があります。
上図では書かれておりませんが、筋肉やリンパ、血管、神経なども通っております。
喉(のど)の機能として
1.呼吸をする「呼吸機能」
2.食べたものを飲み込む「嚥下機能」
3.声を出す「発声機能」
などがあります。
なぜ喉に違和感や異物感を感じる?
なぜさまざまな違和感や異物感をのどに感じやすいのでしょうか?
そのメカニズムはまだはっきりと分かっていないようですが、可能性の高いものとして以下のようなことが考えられています。
・自律神経の乱れ
・筋肉の収縮による食道の圧迫や締めつけ
・気滞(きたい)※東洋医学での考え
・筋肉に関係する神経の異常
・頚椎(首の骨)による影響
・一時的病変(一時的な腫れや炎症)
・神経の過敏性
ストレスなどの影響によって自律神経が乱れ、筋肉の収縮によって食道などを圧迫や締めつけられ異物感や違和感を感じるという流れが一般的な見解とされています。
症状を誘引するものとして
ストレス
不安
疲労
落ち込み(気鬱)
緊張
更年期
ヒステリー
うつ
アレルギー物質
乾燥
肩こりや首こり
神経質的
がん恐怖
心気症
ほかの病気によるもの
などがあるとされています。
咽喉頭異常感症と病気との関連性
喉の違和感や異物感は、さまざまな検査を行うことによってほかの病気かどうかが明らかになります。
もしはっきりと原因が特定できない場合、咽喉頭異常症や自律神経失調症という病名とされる場合があります。
咽喉頭異常感症
原因が特定できない「真性咽喉頭異常感症」と原因が特定できる「症候性咽喉頭異常感症」に分けられます。
検査などで腫瘍、アレルギー、病変などがないか調べ、他の病気が考えられない場合、真性咽喉頭異常感症と診断されます。
症候性咽喉頭異常感症には以下の病気による原因として病名が診断されます。
咽喉頭酸逆流症、 咽喉頭副鼻腔炎 、蓄膿症、慢性気管支炎、喉頭アレルギー、咽頭癌、口腔がん、更年期障害、甲状腺疾患、糖尿病、鉄欠乏性貧血、うつ、不安障害 、自律神経失調症など
咽喉頭酸逆流症
逆流性食道炎(胃食道逆流症)のような胃酸の逆流が喉まで影響している病気です。
喉の違和感や痛み、慢性的な咳、声のかすれ、耳の痛みなどの症状が有り、逆流性食道炎(胃食道逆流症)の治療を行うことで喉の違和感や痛みも改善できるといわれています。
逆流性食道炎(胃食道逆流症)がある場合は、胸焼けや酸っぱい胃酸が上がってくる症状などがあります。
自律神経失調症
日本心身医学会の自律神経失調症の定義では、「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」とされています。
自律神経失調症のからだの症状としては、
頭痛、めまい、耳鳴り、立ちくらみ、疲れ目、肩こり、胸が締め付けられる感じ、息苦しさ、息切れ、動悸、不眠、食欲低下、口がよく渇く、喉の違和感、ろれつがまわりにくい、筋肉の痛み、胃腸の調子が悪い、吐き気、腹痛、便秘、下痢、ガスがよく出る、手足の冷え、だるさなど倦怠感、疲労感、顔の汗や手足の汗が多い、気候の変化に弱い、強くまぶしさを感じる、怖い夢をよく見る、風邪とは違う咳がよく出る、微熱が続く、早漏、射精不能、生理異常
などが挙げられます。
自律神経失調症のこころや精神的な症状としては、
気力の低下
集中力の低下
不安感
イライラ
怒りっぽさ
落ち込みやすい
疎外感
憂鬱感
焦りやすい
感情の起伏が激しい
などが挙げられます。
喉の違和感や異物感の難しさ
検査で物理的な異常がなく慢性的に続く喉の違和感や異物感に対して改善していく難しさをよくお聞きします。
喉(のど)は、食事が喉を通るというように食べ物や飲み物が通る場所として重要な場所であり、呼吸という生命維持に欠かせない生理機能の通り道です。
喉の症状は、ほかの部位に比べて「気になる」度合いが強くなる傾向があります。
気になる→不安→自律神経が乱れる→症状が出る→嫌な感情→気になる
と繰り返してしまうことも少なくありません。
要するに症状自体がストレスになってしまうことがあります。
検査で物理的にみえる異常がないとなった場合、原因がわからない不安感を抱えることも少なくありません。
喉の違和感や異物感をなくそうとして少しいいものがあってもなかなか消えてくれなかったり、違和感や異物感が移動したりすることもあり、歯がゆい思いをされている方もいます。
気にしないようにしても「気になる」
そんな難しさがこの喉の違和感や異物感にあったりします。
この難しさは、なったことがない人にはわかりにくく、周囲の理解もされないことがあります。
「気にしなきゃいいんじゃない」
という安易な言葉によって、傷ついたりストレスになることもよくお聞きします。
気にしないようにできたらもうしてるよっ!!
と言いたくなる感情が出ることもあります。
検査で物理的な異常がない喉の違和感と異物感
上記のようになかなか難しいこの症状ですが、検査で物理的な異常がない場合、どのように克服していけばいいのでしょうか?
ストレスを減らす
どういう時に「喉の違和感や異物感」がでるでしょうか?
そのときに感じているストレスがあれば、そのストレスを減らしていくことで一定の効果が期待できるかもしれません。
ストレスは、受け取り方や考え方によってもストレスとなったり、ストレスではなくなったりすることができます。(心理療法などを用いて)
またストレスを発散させる何かができることはとてもいいことです。
気の巡りをよくする
漢方薬や食品やアロマなどで物理的に気の巡りをよくしていくことによっても一定の効果が期待できるかもしれません。
運動やスポーツ、ウォーキングなどもからだだけではなく、こころの気も巡らせることができるものです。少し汗をかくことによってストレスの発散の効果があると言われています。
喋る、書くなどアウトプットすることで、自分の思いを外に出すことで心理的な気の巡りができる可能性があります。
睡眠の質を高める
睡眠の質を高めていくことで徐々にからだやこころの状態が変わっていくことがあります。
そのためにも、ストレスを減らし、気の巡りをよくして、睡眠にとって良い状況を作っていくことが大切です。
疲れを癒す
からだの疲れを癒す、こころの疲れを癒すことも大切です。
喉の違和感や異物感の原因とされるものとして、ストレスがあります。
身体的なストレスや心理的ストレスで疲れたからだとこころを休ませることが大事です。
からだを温める半身浴なども取り入れると良いとされています。
喉の違和感・異物感のカウンセリング
・なかなか喉の調子が良くならない
・検査しても異常がなかった
・慢性的な喉の違和感や異物感でつらい
・喉の違和感や異物感がよくなったり悪くなったりする
・気になってつらい
・カウンセリングや心理療法を試していない
・併用してより良い状態にしたい
・専門の自然療法を探している
・だれにも知られずやりたい
・遠くてもできるところを探している
・すぐにできることを探している
そんなご状況にある方に対して、当カウンセリング(心理療法・自然療法)では、喉の違和感や異物感に対して多角的な視点からアプローチを行っていきます。
お一人お一人状況や症状なども異なりますので、そういった情報を基に話を進めていくと重要なポイントがいくつかみつかります。
そういった重要なポイントをクリアしていくことでみえてくる景色が変わっていきます。
喉(のど)には、呼吸という生死に関わる基本的な生理機能の通り道があります。
違和感や異物感という症状が出ると「危機意識感」が反射的に無意識的に出やすいとも言えます。
ですので気にするからといって、なかなか治せないからといって、あまり自分を責める必要はないかもしれません。
この喉の違和感や異物感は、神経や筋肉が緩まり過緊張や過収縮を落ち着かせられるかが重要になることが少なくありません。
心理的アプローチ
物理的アプローチ
脳神経系(シナプス・ニューロン含む)へのアプローチ
の3方向からアプローチを行っていきます。
のどには声帯があるように話すことと関連が深いものです。
自分が話したいように話す、表現するということが自分が思っているよりも意外に大切なこともあります。
「なんであんなに悩んでいたんだろう」というお言葉が出られますように丁寧に多角的にカウンセリングと心理療法を行ってまいります。
お電話一本で全国から相談ができます。
参考文献
HUMAN ANATOMYカラー人体解剖学
咽喉頭異常感症 メディカルノート
咽喉頭異常感症とは(症状・原因・治療など)|ドクターズファイル