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病気不安症(心気症)

病気不安症(心気症)とは、病院などで検査しても異常がないものの、自分は大きな病気になっている、重篤な病気に罹患していると強く不安や心配をしてしまう時に診断される病名とされています。

ある程度の年齢になったり、病気や原因不明の症状になった場合、ある程度の「なにか病気があるんじゃないか」「大きな病気が隠れていたらどうしよう」と心配や不安になるものです。

こういった不安や心配を解消するために病院やクリニックに行って検査をしてもらうことでその不安や心配が解消されたり、緩和するものです。

しかしこの病名としての病気不安症(心気症)は、検査を行っていても不安や症状をぬぐい去れない精神状態が強くでてしまい、学業や仕事、日常生活に支障をきたしてしまうとされています。

心気症は、病気不安症や心気神経症と呼ばれることもあります。

医師や医療機関などの情報を基に詳しく「病気不安症(心気症)」について説明していきます。

心気症と病気不安症の病名について

「心気症」は英語でhypochondriasisと表記され、アメリカ精神医学の精神疾患診断マニュアルであるDSM-4の診断名です。

DSM-5では、心気症は「病気不安症」という病名で表記されています。

病気不安症の診断基準

病気不安症の診断基準としてDSM-5の基準に基づいて診断がされます。

・患者に重篤な疾患の罹患または発症に関するとらわれが認められる。
・身体症状はないか,あっても最小限である。
・健康に関して強い不安を抱いており,個人的な健康問題について些細なことで警戒する。
・健康状態を繰り返しチェックしているか,不適応的に受診の予約や来院を避けている。
・6カ月以上にわたり病気に関するとらわれが認められるが,その期間中に恐れている具体的な病気が変化することがある。
・うつ病または別の精神障害では十分に説明できない。

顕著な身体症状が認められ,かつ主要な懸念の対象が症状自体である患者は,身体症状症と診断される。

病気不安症 – 08. 精神障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル

医療を求める型と医療を避ける型

病気不安症には、医療を求めて様々な病院やクリニックで検査や診療を受ける「医療を求める型」と「医療を避ける型」に分けられています。

「医師が見落としているのではないか?」
「納得がいかない説明」
「自分には言わないように隠しているのでは?」

と疑う気持ちが出やすいといわれています。

そのため頻繁に病院やクリニックへ行ったり、逆に避けたりしてしまうといわれています。

病気不安症(心気症)の原因

病気不安症(心気症)の原因は完全には解明されていないとされていますが、一般的に原因や誘因とされているものを以下に書いております。

感覚への認知のかたより
病気への認知のかたより
思い込みが強い
性格的影響
ショックなことが起きて疑い深くなる経験
妄想性
身内の死や病気によるストレス
大病後の不安
過剰なインターネットなどの知識付け(誘因として)

病気不安症(心気症)の症状

大きな病気になっていないか、重篤な病気に罹患しているのではという不安や心配、恐怖症状が強く出ることが特徴的です。

身体症状は、人によって異なり、その症状が出てこの病気があるかもしれないと強い不安や恐怖がでてしまうようです。

胸に違和感があって、心臓に大きな病気があるのではないか?
おなかが痛くて、ガンがあるのではないか?
頭痛があって、脳に大きな問題があるのではないか?

など症状に対して不安や恐怖を強く感じてしまいます。

特に病院やクリニックで検査に異常が見つからないにも関わらず、症状が出てくる場合に不安や心配が出てきやすい傾向もあると言われています。

また無症状でも

ガンがあるのではないか?
大きな病気があるのではないか?

と強く不安や恐怖を感じてしまうこともあるようです。

不安や恐怖が出たりでなかったりするケースと一定して不安と恐怖が強く出るケースがあるようです。

また強い不安や恐怖により自律神経が乱れ自律神経失調症状に日々悩まされる方もいらっしゃいます。
自律神経失調症についてはこちら

病気不安症(心気症)の治療

セロトニン再取り込み阻害薬や精神安定剤、抗うつ薬などの「薬物療法」と不安や恐怖に対するカウンセリングや心理療法などが行われます。

病気のことを気にしないようにマインドフルネス瞑想やスポーツ、運動、打ち込めるものを探すことも大切とされています。

身体表現性障害と病気不安症(心気症)

身体表現性障害(身体症状症)の中には、身体症状症、機能性神経症状症とこの病気不安症(心気症)があります。

症状の説明がなかなか難しい場合に診断されます。

以前は身体表現性障害と呼ばれていますが、改訂などから現在は身体症状症と呼ばれることが増えています。

病気不安症(心気症)のつらさ

ここでは、病気不安症(心気症)に悩まされている方の視点に立って書いていきます。

周囲に理解されない苦しさ

家族には、「気にしすぎだよ」、「考えすぎ」、「そんなことあるわけないじゃない」とまたか!まだか!というような目で見られたり、言葉に出されることによって苦しみが続くことがあります。

このような心理的状況になると自分のこころのなかに引きこもってしまい、孤独感が強くなり苦しみがより強くなってしまうことがあります。

誰も信じてくれない。。。。という苦しみをひとりで抱えざるをえない状況がよりストレスになってしまいます。

誰が理解してくれるのか?

家族や友人、医師などへ相談して「そうではなかったんだ」、「妄想だったんだ」と気づき安心感が復活し、病気への不安や心配が減ったりなくなったりできればそれはとても良いことです。

しかし「でも大きな病気があると思う」という思いが減らないとき、よくならないときは、理解してもらうことが大切かもしれません

自分の感覚では、「そう思うんだ!」という思いを否定され続ける事によって「そう思う」が強く強固になるものです

ずっと心の中で出したかった思いがご本人にはあるものです。

そういったところを一番に大切にしながらご自身のペースで建設的に進めていくことが大切です。

原因不明という苦しみ

「検査を行っても原因がわかりません」ということで異常がなかったことで安心する方がいます。逆に検査で分からないってことは原因が不明じゃないかと不安や疑問に思う方もいます。

後者の場合、原因がわからないことでインターネットで検索してこうじゃないか、ああじゃないかと可能性を探る方もいます。

それで何かがわかり、治療や改善法もわかればいいのですが、そうでなかった場合、余計に苦しみが増えてしまうことがあります。

妄想って受け入れらない

「妄想によって不安や恐怖がでているなんて納得できない」というお声を聞くことがあります。

ご本人の主張がそこにあります。

「やっぱり見落としがあるんではないか?」
「やっぱり病気があるはずだ」

妄想と言われて自己否定された感覚に陥り、強い憤りを感じることもあります。

また妄想だと分かっていても自然発生的に不安や恐怖が沸き起こる方もいます。

病気不安症(心気症)のカウンセリング

カウンセリング・心理療法

当カウンセリングでは、病気不安症(心気症)のご相談経験があります。

なかなか理解されない苦しみや強くなる不安や恐怖をどう扱えばいいのかひとつずつ丁寧にカウンセリングを行います。

・強い不安と恐怖で困っている
・なかなか理解されずに苦しんでいる
・病気不安症を克服したい
・心気症を自分で改善したい
・頭ではわかっているのに不安や恐怖に悩まされる
・疑い深くなっている
・ショックなことがあった
・専門のカウンセリングを探している
・全国どこからでも相談できるところ探している
・誰にも知られず行いたい

そういった方々に病気不安症(心気症)のカウンセリングと心理療法を行っております。

病気不安症(心気症)には、ポイントがいくつもありますが、まず大切なのは、自分の主張を安心して話せる、聞いてもらう、理解してもらうことが何より重要なスタート地点です。

参考文献・参考サイト
心気症について | メディカルノート
病気不安症 – 08. 精神障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル

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